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2009年3月29日日曜日

「宴のあと」に怯えるプロ野球 WBC人気がプロ野球人気低下に拍車をかけるかも

ニッカンゲンダイより。

WBC連覇の「宴のあと」に怯えるプロ野球[WBC特集]
視聴率は連日の30%超え 新聞もテレビもスポーツ報道は侍ジャパン一色だが...

●空港にファン1200人

 いや、すさまじい人気である。日本代表のWBC連覇から一夜明けたこの日(25日)も、
テレビのワイドショーやニュース番組は朝から晩まで侍ジャパン一色。成田空港は帰国した
代表ナインを待つ1200人のファンであふれ返り、ハリウッドスター来日も真っ青といった
フィーバーぶりだった。5度目の対戦となった韓国との決勝戦の視聴率は、平日の昼間だと
いうのに関東地区で36.4%(ビデオリサーチ調べ=数字は以下同)、関西地区で36.5%
を記録。瞬間最高視聴率はそれぞれ45.6%、44.5%に達した。実に4500万人以上
の国民が、日本代表連覇の瞬間を見届けた計算になる。もちろん、視聴率ランキングの
1位はWBCが独占。20日の2次ラウンドの韓国戦は平均で40.1%だから、これはもう
国民的行事と言ってもいいだろう。

 気の早い大学教授は、「連覇の経済効果は506億円」などと試算しているが、
宮崎合宿から続いた日本代表の人気は確かに、関係者の想像を超えるものがあった。

 当然、日本の各球団も指をなめなめ、ソロバンをはじいている。日本のプロ野球はどこも
観客動員が頭打ち。特に巨人人気の落ち込みはひどく、リーグ連覇を果たしたというのに、
テレビ中継の平均視聴率は9.7%と3年連続で2ケタを割り込んだ。今季の日本テレビの
地上波の中継数は、昨年の42試合からさらに26試合まで削減。球団経営の危機も囁かれ、
「侍ジャパンの注目度がプロ野球人気回復の起爆剤になってくれれば」と期待しているのだ。
代表選手を派遣しなかった中日を除けば、これが11球団の共通の願いだろう。

●サッカーW杯の二の舞い

 だが、ここに不吉なデータがある。王ジャパンが世界一に輝いた前回06年のWBC。
今回と同じように、その快挙に日本中が沸いた。が、王ジャパンの人気や注目度は一過性
で終息。その年の巨人戦の平均視聴率は9.6%で、史上初めて2ケタを割り込んだのだ。

 「サッカー界でも同じようなことがありました。サッカー日本代表は98年のフランス大会で
初めてW杯出場を果たした。この歴史的快挙に人気が右肩下がりだったJリーグ関係者は、
こぞってもろ手を挙げましたが、翌年のJリーグの平均入場者数は1万658人。史上3番目
の低さだった。日本代表とJリーグはまったくの別物、というのを痛感させられたのです」
(サッカー記者)

 日本人は国際試合が好きだ。五輪でも何でも、日の丸が翻ると途端に熱狂する。
普段は見向きもしないソフトボールやカーリングなどのマイナースポーツにだって、
国民は揃って一喜一憂する。その半面、熱しやすくて冷めやすい国民性で、
「宴のあと」の反動もまた大きい。スポーツライターの工藤健策氏もこう言って懸念する。

 「そうでなくても、今回の日本代表人気はイチローや松坂といった一部の日本人メジャー
リーガーの個人的な人気に頼っているところが大きい。連日、スタンドに人があふれ返った
宮崎合宿から感じていたことですが、ファンは彼らをタレントや芸能人と同じ目で見ている
ような気がします。ミーハーといってはなんですが、そうしたファンの興味が野球そのものに
移らなければ意味はない。日本代表の快挙が即、プロ野球人気の回復につながると
考えるのは早計だと思いますね」

●人材不足を改めて露呈

 日本人選手の多くが、世界レベルにあることは間違いない。岩隈やダルビッシュ、杉内や
青木は今すぐメジャーリーグに行っても、それなりの働きはするだろう。だが、日本代表は
オールスターチームで、日本球界全体で見れば世界基準のアスリートはほんのひと握り。
それが、現実でもある。

 前出の工藤氏が言う。

 「日本のプロ野球界には今、ヒーローがいない。イチローや松坂、松井秀と、日本の
トップクラスの選手はみな、より上のレベルを目指して海を渡ってメジャーに行ってしまう。
絶対的なスターが不在ですから、魅力が薄れるのは当然。WBCの日本代表には確かに
華があるが、それは日本代表だからこそ。ファンがそういう現実を突きつけられたとき、
WBC人気はむしろ、日本プロ野球の人気低下に拍車をかけることになるかもしれない」

 プロ野球開幕前の3月に絶頂を迎えてしまった野球ファンの燃え尽き症候群も懸念される。
そうでなくても、今の野球ファンは「クライマックスシリーズと日本シリーズだけ見ればいい」
というおいしいとこ取りのファンが増えている。WBCが盛り上がれば盛り上がるほど、
そういう傾向が強まる可能性もある。この1カ月間、新聞もテレビも野球報道はWBC一色で、
プロ野球の話題はほとんどまったく取り上げられなかったマイナスも大きいだろう。

 25日、東京ドームのナイターで行われた巨人と中日のオープン戦の観衆は、わずか
1万9493人止まり。一過性の熱にすがっていては、本当の人気回復にはつながらない。





結局のところ、日の丸がないとダメなんですかね?
野球のように面倒くさいルールをせっかく知っているのにね?

そういえば、阪神のピッチャーWBCでどこか痛めたとか言ってましたね。
WBCに合わせたからとか言い訳してたみたいだけど、そんなスケジュールは、前々からわかっていることで、なんだかなぁって感じです。
だったら、中日のように、不参加表明して、虎視眈々とチャンピオンフラッグを狙えばいい。

いいプレイヤーがMLBに行ってしまう中、日本のプロスポーツの在り方を考えさせられますね。
結局ね、MLBが邪魔なんだよ。
とはいえ、MLBのような、高額な報酬を払えるとこなんて、日本球団にはないから、MLBに行ってしまうんだろうしね。
上を見なければ下を見て、独立リーグなどを見据えた、底辺の拡大を必要なんじゃないかなと。