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2009年8月28日金曜日

藤原丸君の発明

ハイブリッド車(HV)や電気自動車が静かすぎて、接近しても歩行者が気づかない問題で、兵庫県明石市の藤原丸(まる)君(14)が名案を思いついた。タイヤに取り付けるだけの装置が、低速時だけ自動的に「カチャカチャ」と音を出す仕組み。現在、特許を出願中だ。

発明した藤原君は同市立二見中の3年生。新聞で、「モーターで動く車はエンジン車と違って静かなため、視覚障害者や高齢者にとって危険だ」と知り、あれこれ考えた。

「そうだ。タイヤの遠心力をつかえば......」とひらめき、今回の装置を考案した。細長く平たいジュラルミンのケース(長さ約12.5センチ、幅約3センチ)
の中に、10円玉のような円形の金属片を入れる。このケースをタイヤホイールにナットで固定すると、タイヤの回転にあわせて金属片が動き、「カチャカ
チャ」と音が鳴る。時速約20キロを超えると遠心力で金属片は動かなくなり、音がしなくなる。



母美紀さんが「兵庫県発明振興会」の会員で、会の岡本好晃理事長に相談に乗ってもらった。不快な音にならないように、1カ月ほど材質や大きさの改良を重ね
た。ケースの形をひし形にして、馬のひづめのような音になる「改良型」もできた。岡本理事長は「低コストで、既存の車にも簡単に後付けできる」と絶賛。実
際に使うためには安全性の検証や法的な問題をクリアする必要があるが、藤原君は「実用化できたらいい」と期待している。